| 幻想水滸伝V |
| 02.9.6 |
| 真夜中の訪問者 |
我が家の暖かな暖炉の傍のソファに腰掛け、妻子の他愛無いおしゃべりを聞きながら コーヒーを飲んでいる。 そんな穏やかな夢を見ながら、ディオスは円の神殿に付属されている宿直室で 安らかな眠りについていた。 家に帰りたいのは山々であったが、グラスランドとの仲が険悪となっている今、 指揮官の側近であるディオスは多忙を極め、 帰るどころか今のこの眠りすら 幾日かぶりの休息であった。 折りしも草木も眠る丑三つ時。 不意にその身に衝撃を受けて、ディオスは目を覚ました。 「な…っ!!」 跳ね起きようとして、ディオスは硬直した。 枕元に誰かが立っている。 それが誰なのか気付いたのだ。 ディオスに悟らせずにこれほど近くまで接近でき、 またこんな真夜中に訪れる酔狂な者はそうはいない。 長く深くため息をついて、ディオスはその人物に声をかけた。 「どうされました、ササライ様」 闇に目が慣れたか、雲に隠れていた月が出た所為か、 上司の顔が朧ろながら見えてきた。 間違えなく、ほんの数時間前にわかれた自分の上司、ササライであった。 問いかけに答えない上司に、もう一度、今度は悟られないようにため息をついて、 再度声をかける。 「ササライ様」 「………よ」 「は?」 ほとんど口も動かさず何かを呟いた、その言葉を拾おうとディオスは上司に近付いた。 その瞬間。 あの衝撃が再び訪れた。 ピコッ 「な……」 「ディオス」 ササライは凶器を頭上高く振り上げ、今度ははっきりと言い放った。 「起きないと、給料減らすよ」 「サ…ッ、ササライ様ぁ〜っ???!!」 避ける間もなく、ササライが手にした凶器、ピコピコハンマーは ディオスに打ち付けられる。 ピコピコピコ 「ササライ様止めて下さい!寝ぼけておりますね〜」 半分悲鳴と化しながらも、ディオスは必死に制止の声をあげた。 ピコピコピコ 「起きないと、給料減らすよ」 ピコピコピコ 「起きてます、起きましたから、止めて下さい〜!」 ピコピコピコ 「あああ〜まったく〜」 とめどなくピコハンで殴られながら、ディオスは上司の背を押した。 「お部屋まで送りますから、大人しくお休みになって下さい〜」 ピコピコピコピコ…… はあー 今宵幾度目かのため息をついて、ディオスはベッドに潜り込んだ。 ササライを自室まで送り、何とか寝かしつけて、宿直室のベッドに帰り着いた頃には もう鳥が鳴き始めていた。 外はまだ辛うじて暗いが、夜明けは近いと言う事だ。 久々の休息時間であったというのに、ほとんど休む事は出来なかった。 『妻よ…子よ…』 もう幾日も会っていない家族の顔を思い出して、ディオスは固く誓った。 『早くこの戦いを終らせて、家に帰るからな!!』 翌朝。 「は?」 上司の言葉を疑う事は無かったので、自分の耳を疑った。 結局ほとんど眠れなかったので、頭が少しぼぅっとしている。 その所為で聞き違えたのかと思ったのだ。 昨夜、あんな騒ぎがあったというのに、疲れた様子も眠そうな様子も無く、 ササライはいつもどおり爽やかに微笑んで、同じ言葉を繰り返した。 「なんだかよくわからないけど…」 そうか…昨夜の事は覚えてらっしゃらないんだな…などとどうでも良い事を 頭の片隅で考えながら、続けられた言葉を聞いてディオスは蒼冷めた。 視界がブラックアウトする。 「急に君の給料下げたくなったから下げといたよ」 |
妄想日時:’03.9.6 妄想場所:架彩の部屋 眠っていた架彩に河野がふっかけてきた妄想アワーです。ホントにピコハンで殴るし…。 ウチの会話はナリキリ系が多いです、怖っ。 でも、それがネタになるんだからいいんだいっ(開き直り)。 えーっと、何故か今回ササライ様が夢遊病気味ですが…別にK家も ササライ様が夢遊病だとか寝ボケキャラだとか思っている訳では無く、 ただネタとしてこうなっちゃっただけです。 ホントはディオスじゃなくてナッシュにしようかと思ったらしいが、 「いや、ササライ様が無防備にナス(※K家でのナッシュの呼称)の部屋に行く筈が無い!」 という訳でこうなったそうな。 |