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花帰葬 |
| 08.5.19 |
| 白の記憶黒の想い@ |
「生まれてしまったよ、白梟…」 管理者の塔。何の前触れもなく白梟の背後に現れた黒鷹は、いつになく真面目にそう話し掛けた。 「そう…ですか…。ついにこの時が来てしまったのですね」 「あぁ、そうだね。我々にとっても、この箱庭にとっても最初の試練の時が、ね」 「………主…」 黒鷹の訪問に驚く事もなく、ただ淡々と話す。そして最後に敬愛する創世の主を想い、呟いた。 そして数年の歳月が過ぎた頃。 「黒鷹…こちらも救世主となる者が誕生いたしました」 「そうか。黒の鳥としてはあまり嬉しくないニュースだ」 「まだ…滅びが始まったようには思えないのですが…」 「さぁ、我々はどうするべきかな?何しろ我々にとっても初めての経験だ。本格的な滅びまで時間はある」 思えないと言うより現実を受け入れたくないと言う気持ちで、それは黒鷹も同じだった。 「ならば…」 「やあ、白梟。そちらの様子はどうだい?」 「敵情視察ですか?黒鷹…」 「そう敵視しないでくれ。今日は単純にあなたの顔を見に来ただけだよ」 「…全く。私たちは敵同士だと言うのに。あなたときたら…」 二人は始めての試練に際し、そのギリギリまで見守る事に決めた。その日から数年後のこと。 様子を見に来たと言う黒鷹に白梟は小さな溜め息をつく。 「時が満ちたらこちらも本気を出すさ。…それより、また水鏡で見ていたのかい?救世主を…」 「えぇ。見守るのも大事な使命ですから」 「…。それではまた様子を見に来るよ」 それからまた数年が経過した。 「白梟、また見ているのかい?相変わらずあなたは救世主が好きだなぁ」 「当然でしょう?やはり私の予感通り、彼は素晴らしい素質を持っていますよ。先日も…」 世界を終末から救う救世主となるべき人物が誕生してからと言うもの、寝るとき以外はいつも見守っていた。 それが日課となっていた。自分の救世主は凄い人物だと自慢げに話す事もあった。 「………」 そんな白梟を優しく見つめる黒鷹。 「黒鷹?」 「あ、いや何でもない。あなたが主以外の事に執着するとは珍しいからね」 「何を言っているのです?これは主から与えられた使命です。ですから…」 「そうだね。早く救世主殿に会えるといいね、白梟」 白梟の気持ちを考えて率直に言った一言だった。 「黒鷹…!!!」 からかわれたのだと思い、声を上げるものの、相手は自分に背を向け、手を挙げてひらひらと振ると何処へと消えていった。 そんな日もセピア色の思い出と化して来た頃、ついにその時がきた。 「時は満ちた。春が来るか…終焉か…どちらだろうね?」 「では、たった今から私たちは本格的に敵同士…今後一切軽々しく近づかないでください。黒の鳥よ…」 「…わかったよ。厳しいな。では、お互い全力を尽くそう」 白梟はいつになく毅然とした態度を見せる。 思うことは沢山あるが黒鷹もそれを受け入れた。 「勿論花を降らせてみせます」 「キミの憧れの救世主殿に宜しく!」 「黒鷹っ!…全く…」 黒鷹に対して抗議しようとするが、既に転移してしまっていた。 憧れ…そう言われて否定をしたものの、ずっと見守って来た救世主とようやく対面出来る事を白梟は心の奥で嬉しく思っていた。 そう、本人も気がつかない程深い場所で。 救世主として世界を救う事、そして自分はそんなあなたを守護する鳥であると告げたらどう反応するだろうか…。 仲間に見せるみたいに微笑んでくれるだろうか…。 そんな風に淡い期待を胸に抱き、白梟は救世主の前に姿を見せた。 「私は白梟。はじめまして、この箱庭を救う我が救世主よ」 精一杯微笑んでみせた。 笑顔を…そして救世主の言葉を期待して。 しかし… 「悪いケド…今はそういう冗談に付き合っていられるほど暇じゃないんだよね」 笑顔を見せる所か、受け入れる言葉もなく、軽く遇われてしまう。 「そんな…。私の話を聞いてください!あなたは本当に救世主なのですよ!?」 「救世主?悪いケドそんなのに興味はないね。第一柄じゃない。この戦に勝利したら話だけは聞いてあげるよ」 「そんな…!」 ショックを隠しきれない白梟。 思い描いていた対面とは程遠く、次にどんな行動をすればいいかも思いつかなかった。 「私の方も手強いが…こちらも苦労しているようだね、白梟」 白梟のそんな様子を、木の上の高い所に腰掛け見守る黒鷹。 彼もまた挨拶に行ったが軽く遇われて一時退去してきた所であった。 「黒の鳥か…。苦しみを分かち合える唯一の相手に敵だと言われると…流石にこたえるよ」 白梟に言われた言葉が胸に突き刺さり苦笑いを浮かべる。 主が白梟を作ると決めた日、そして誕生した日、共に過ごした日が脳裏に蘇る。 「確かに私は黒の鳥だ…。だがね、あなたの幸せを願っているよ…。何せ我々は同じ人に作られた二対の鳥なのだからね…」 全ての試練が今、始まったばかりなのだ。 |
K家妹 妄想日時:’08.2頃 妄想場所:ロケ後の車内妄想 救世主を想う白梟と白梟を想う黒鷹の昔話です! と言っても残念ながら鷹梟という意味ではありませんが。 鷹が白梟を見守るって感じのストーリー第一話です。 続きものをまた書いてしまったorz K家姉コメント 「同じ人に作られたんだから、黒鷹と白梟は兄弟(妹?)って事はあまり言われてないよね」 から始まって、 「親バカなだけじゃなくブラコン(シスコン?)な黒鷹もアリだよね」 に発展したんじゃなかったかと…で、妄想が膨らんでいって………。 ところで白梟が絡むCPって、ナチュラルにBLオフにしちゃったんだけど、 そこんトコどうだったんだろう…(苦笑)。 K家にとって白梟の性別は「お母さん」だから、男とか女とか割とどーでも良かったりする。 いーじゃん、白梟なんだから(キラキラキラ) あとK家妹、ちゃんと完結させろよ(にっこり)。 |