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花帰葬 |
| 09.5.6 |
| The hawk and the owl |
むかーしむかし、働き者の梟と遊んでばかりの鷹が住んでいました。 梟はせっせと巣穴を作り、厳しい冬に備えて食糧を蓄えることに勤しんでいました。 そんな梟を見ながらも鷹は毎日歌を歌ったり絵を書いたり…好き勝手ばかりして過ごしていました。 ある日鷹が梟に言いました。 「毎日毎日そんなに働かなくてもいいじゃないか!偶には私の傑作でも見て行かないか? …そう言えば喉が渇いた。久しぶりに貴方が煎れた茶が飲みたいなぁ」 「………お茶が飲みたければ自分で煎れれば宜しいでしょう?私は貴方と違って忙しいのです」 「つーめたーいなぁ」 「毎日毎日自由気ままに遊び暮らしている貴方と私は違うのです。 …あぁ、もう!これ以上は妨害工作の一環として取らせて頂きますよ?」 不機嫌な梟はそう言うと攻撃体制に入ります。 「うわっ!まさか本当に攻撃するつもりかい?」 「全く…貴方はいつもそう。遊んでばかりで自分の使命を果たそうとしない。 もう私に関わらないでください。同じ鳥として私の肩身まで狭くなります」 「わかった!わかったから攻撃するのをやめ給え!」 「…貴方も偶には真面目になさい。でなければ困るのは貴方自身。私は知りませんからね」 そして梟は巣穴へと帰って行きました。 「やれやれ。どうして上手くいかないのかねぇ。私はただ一緒にお茶をしたかっただけなんだが…。 それに…いずれ世界は終わる。今が楽しければそれでいいじゃないか!」 鷹はどこまでも楽観主義でした。 やがて冬が来ました。 厳しくそして長い冬。 今まで遊び呆けていた鷹もさすがにこれではまいってしまいます。 「あ〜寒い!…腹も減った。しかし肉はないし…宿もないし…困った…」 鷹は暫く何も食べていません。それにこの冬の寒さで体力も限界です。 「パトラッシュ…私は疲れたよ………と言っても誰も突っ込んでさえくれないし。寂しいし…寒いなぁ…」 …まだ若干の余裕があるようです。 それでも本当にもう駄目だ、と思ったその時です。 立派で美しい巣穴を発見しました。 「これは…主のお導きか?…助かった。先ずはここで休ませて貰おう。たぁーのもーぅ! 誰かいないのか〜?」 ゆっくりとドアが開きます。 「この寒さで住む家を失い食糧も尽きてしまった…。どうか一冬だけ住まわせてはくれないだろうか」 鷹はここぞとばかりに嘘を並べて悲劇役者さながら不幸な鳥役を演じたのです。 しかし……… 「だから…ちゃんとやるべき事をしろと申し上げたのです」 「…き…キミは…!」 そう、そこはは働き者の梟のお家だったのです。 「何が寒さで家がなくなったですか?夏の間遊んでいた貴方が悪い。自業自得です」 「ま…待ってくれ!キミは私が可哀想だとは思わないのかね!?」 「全く」 「ノーーンっ!」 「滅びるなら勝手に滅びておしまいなさい。私は知りません。…それでは」 「待ち給え…!しろ……」 働き者の梟に締め出され、鷹は雪の中に埋もれていきました。 「ふーん…なんだかちょっとタカ、可哀想…」 「あなたは優しい子ですね。ですがこれは教訓なのですよ?」 「きょうくん?」 「えぇ。己に課せられた使命を全うせず、遊んでばかりいると最後は身を滅ぼす事になると…」 「それは違うな」 「………!?」 「……?」 「久しぶりだね白梟。…そして初めまして、白の子よ」 「黒鷹…何しにきたのです?」 「ねぇ、この人白梟の知り合い?」 「…まさか…救世主を…」 「勘違いしないでくれ給えよ。偶々通りかかったらキミがあの話をしているから、懐かしくなってね。 一寸そこの木に止まって聞いていたのだが…なんだねその最後は…」 「………!」 「いいかちびっこ。この話の最後は本当はね…」 「…!お止めなさい!」 「はぁ…。命運尽きたな。私の命も最早これまで…か。まぁそれなりにいい人生…もとい鳥生だった。 だが…死ぬ前にもう一度肉が食べたかった…」 雪が鷹の姿を隠していきます。 「全く…貴方という人は…」 「…幻聴が聞こえる…」 「人の家の前で死なれては縁起が悪いし世間体まで悪くなるでしょう」 こうして梟は凍っている鷹を家の中に入れて温めてあげました。 「すまないねぇ…」 「悪いと思うなら早く元気になってください。そして春が来たらちゃんと自分で巣作りをし、 食糧も蓄えるのですよ?…そもそも貴方は…」 「優しいね、キミは…。だから私は………」 「………?」 「………すやすや」 「……。ふぅ。まぁ、偶にはこういうのも…いいでしょう…」 こうして鷹と梟は仲良く一冬を共に過ごしたのでした。 めでたしめでたし。 「つまりこの話は常に正直に生きてさえいれば何とかなるという…」 「ふーん」 「…ちょっ!黒鷹…!あなた…」 「だからな、ちびっこ。その鷹のように優しくて面倒見のいい友人を一人作って、 その人を大事にするんだ。そうすればきっとキミを助けてくれる。………そうだろう?白梟」 「…全く貴方と言う人は…」 「ねぇ白梟…」 「なんです?」 「その梟、偉いね!僕、その梟大好きになっちゃった!」 「…そう…ですか」 「やれやれ。本当にキミは自分の子には甘いんだから…」 「何か?」 「いや、何でもない。では私はそろそろ失敬するよ。………ん?」 「ねぇ…。おじさん誰?もう帰っちゃうの?」 「…そんな顔をしないでくれ給えよ。困ったなぁ。私は子どものそんな顔に弱いんだ」 「また会える?」 「………。あぁ、勿論。じき時がくれば…必ず」 「そっか!じゃあ…またね!」 「…またね、か。…次に会った時もキミはそんな顔を…私に向けてくれるのかな………?」 |
K家姉 妄想日時:’08.10.12 妄想場所:自宅 タイトルの「The hawk and the owl」とは蟻とキリギリスの英訳「The Ant and the Grasshopper」を パロってみたり…ってまんまやん☆ |