花帰葬
         
08.5.9      
 sweet sweet day

「お渡しする書類はこれで全てです。では、私はこれで…」
「おい」
用件伺いに訪れた銀朱の執務室で、不意に文官は呼び止められた。
「はい?」
振り返ると、銀朱が両手に箱を抱えている。
「お前、今日誕生日なのだろう。これは父上から預かってきた」
そう言って差し出される箱からは、優しい甘い匂いが漂っている。
それだけで文官は顔を綻ばせた。
「母上と妹達が焼いたんだ」
「これはこれは…毎年すみません」
そう言いながら、にこにこ笑みを浮かべて文官は箱を受け取る。
「皆さまのケーキ、楽しみにしてるんですよ。本当にそこいらで買ったケーキよりもずっと美味しくて」
「本当に甘い物が好きだな」
溜息交じりでそう呟く銀朱だが、その顔はどこか嬉しそうでもあった。
「ええ、大好きですとも。しかもこの重さ…この大きさ…いつもより大きいですね」
「妹達が特に張り切ってな。今年は二段重ねになった」
「それは楽しみですねぇ」
うっとりとした表情は、まだ見ぬ箱の中のケーキを思ってか。
その時、執務室の扉が予告無く開いた。
「文官いる〜」
開口一番そう言いながら入ってきたのは、花白だ。
「おいっ、部屋に入る時はノック位しろ」
「うっさいなぁ。あ、いたいた文官。今日誕生日なんだろ。あのさ、白梟がお茶でもどうかって言ってるけど」
「ええっ!白梟様とお茶!!」
喜色を露わに、文官が花白に詰め寄る。
逆に勢いに押されて、花白はつい上体を逸らして距離を取った。
「いいい…行きます!行きますデス!!ああっ、今年は何て幸せな誕生日なのでしょう。白梟様と美味しいケーキ………幸せ過ぎますっ!!」
「オーバーだなぁ、もう」
「オーバーだなんて…本当に嬉しいんです。皆さんにこうしてお祝いしていただけて…」
文官は幸せそうに相好を崩し、感慨深げに言葉を紡いだ。
「ありがとうございます」
その言葉に、銀朱は仕方ないといった様子でしかし微笑を浮かべて溜息を吐き、花白は決まり悪そうに視線を逸らす。
そんな二人に、文官もまた笑みを浮かべた。





K家姉
妄想日時:’08.5.9
妄想場所:私邸

ホントは文官と隊長しか出てこない話に
「いや、文官が喜ぶって言ったらやっぱ白梟っしょ!」
とプラスしたら、だんだん話が長くなり始めて途中でぶった切ってしまったという(苦笑)。
とにかくひたすら文官を幸せに!がテーマでした。おそまつ。

しかしタイトルがいい加減過ぎ…orz