花帰葬
         
08.4.26      
 present for you〜こはこく編〜

いつもと変わらない平穏な今日。
しかし、ある者達にとっては特別な日━━━

「あ、いたぞ」
「あ!ホントだ!!」
何かを考えているのか、何も考えていないのか…彩の城を歩く長身の後ろ姿を見つけ、こくろとこはなは声をあげた。

「おーい!おっきいくろと待ってよー!」
「こんな所に居たのか。探したぞ」
聞き慣れた声に呼び止められ、振り向くと子ども達が走ってきた。

「どうした?俺に…何か用か?」
不思議そうな顔で子どもたちに質問する。
何故か子ども達は嬉しそうににこにこしていた。それが余計に玄冬の心に不思議だった。

「えっと…えっとね…あのね…」
「ほら…はなしろ。ちゃんとやれ」
「でも…。くろとが先にやってよ…」
「じゃあ同時にしよう」
「うん!じゃあせーのでやるよ!?」
「あぁ。…いくぞ?」
「うん!せーのっ」
「大きいくろと誕生日おめでとー!!」
「………」
子ども達はそう言うと小さな紙切れを差し出した。
一瞬何が起きたのかわからない。
差し出された紙を見ると『おてつだい券』と書いてある。それが10枚。

「あのね、あのね一生懸命頑張って作ったんだよ!」
「無難だろ?手伝って欲しいときはいつでも使ってくれ。10回までだからな」

「そうか…今日は俺の誕生日なのか…」
やっと事態を理解する。
「ねぇ…大きいくろと…嬉しい?」
「あぁ…。気を使わせてしまったようだな…」
「気にするな」
玄冬がお礼を言うと2人はますます喜んで嬉しそうな顔をする。

「お前達…ケーキでも食うか?厨房を借りて作ろうかと思ってな…」
「うん!食べる!大きいくろとが作ったケーキは美味しいんだよね!」

玄冬の心はくすぐったい程に嬉しかった。そして、子ども達を凄く可愛いと思えた。
その喜ぶ顔が見たかった。

玄冬にとって初めて黒鷹や親の気持ちというものがわかった1日だった。




K家妹
妄想日時:’08.4.25
妄想場所:自室

こくろも同じ誕生日では?なんて考えは捨てて読んでください(笑)
2人で話し合って協力して作ったんだろうなぁ…と想像すると微笑ましいですね。