花帰葬
         
08.2.24        
 昔話をみよう!

むかーし昔、ある所に一人の青年がおりました。
その青年は釣りが大好きで、毎日出掛けては丘釣りを楽しんでいました。
その男を人々は「未来救世主」と呼んでいました。

ある日、未来救世主が海へ丘釣りに行くと子ども達にイジメられている黒い鷹を見つけました。
「なにやってんの?」
「うぅっ、助けてくれ…」
「カノジョ、今ヒマ?オレと遊ばない?」
「なっ」
未来救世主は鷹に声を掛けたのではなく、その近くにいたグラマラス美女に声をかけていたのです。
「こらこら!ちょっとそこのキミぃ!私はこのちびっ子達にイジメられてるんだぞっ!? 可哀相だとは思わないのかっ」
鷹は未来救世主に抗議しました。
「喋る鷹と関わって面倒なコトに巻き込まれるの面倒だし」
「う゛っ、正論だ」
「お前が絡むから逃げられちゃったじゃん」
「私を助けてくれたらいい所に連れていってあげよう!」
「美人いる?」
「勿論だとも!…それとも私を助けるメリットには…まだ足りないかな?」
「面白そうだから助けてやるよ」
こうして未来救世主は見返りを約束し、鷹を助けることにしました。

「お前達何してんの?」
「魔王玄冬ごっこ」
「ふーん…それよりもっと楽しいコト教えてやるよ」
「何なに?」
「聞きたい?じゃあ耳貸せよ。いいか?ゴニョゴニョ…」
「わかった!僕ヤッてみるよ!」
「頑張れよ〜」
子ども達は未来救世主に手を振ると走っていきました。

「子ども達に悪い事を教えたんじゃないだろうね?」
「別に?オレは大人になる方法を教えただけだよ」
未来救世主は得意げにいいました。
「何はともあれ助かった。例を言うよ」
「いいっていいって。それより…」
「わかっているよ。では行こうか、夢の島へ!とう!!」
鷹が声高らかに叫ぶと二人を光が包みました。

「さぁ着いたよ、目を開けなさい」
言われた通りに目を開けるとそこには美女から美青年が手招きしていました。
「気にいらんかね?」
「いや、じゅーぶん」

そして未来救世主を囲んで飲めや歌えや踊れやの大宴会が始まりました。
未来救世主も上機嫌です。
そんな中一人の男と目があいました。
すると未来救世主はその男に声をかけました。逃げようとする男。 その腕を掴んで引き寄せて抱き締めて耳元で名前を尋ねました。
綺麗な銀の髪、紅潮した頬、気の強そうな瞳。全てが未来救世主の好みです。
しかしいくら聞いても名前を言おうとはしません。そこで名前をつける事にしました。
「銀朱にしよう、アンタの名前」
そしてこの後はとてもとても口に出して言えないめくるめく官能の世界へ…

24時間経過。

銀朱をしっかり抱き締めて肌の温かさを感じた未来救世主は幸せそうに言いました。
「オレ、アンタと一緒にいられるなら一生ここにいてもいい…」
ずっとこの時が続けばいいのに…。しかし、幸せな時は永遠ではありません。

一人の金髪美女(?)が現れて言いました。
「いい加減になさい。あなたにはいるべき場所があるでしょう」
どこかで見たような顔だなぁと思ったものの、思い出せませんでした。
「鷹を助けてくれたことに関しては礼をいいます。」
そう言うと傍に控え着いていた共の者から黒い箱を受け取り、続けてにこやかに話しました。
「この玉手箱を差し上げます。ですから…早急にここから立ち去りなさい!でないと…ここの風紀が乱れますっ!」
指をさすその先には、男同士でイチャつくカップルや、この未来救世主に襲われ横たわる裸体の山がありました。
そして美女(?)は有無を言わさず転移装置で強制退去させました。


「ここは…?」
そこは変わり果てた住み慣れた街がありました。
未来救世主が銀朱とイチャついている間に世界の終焉が始まっていたのです。
「そんな…」
落ち込む未来救世主の手元には手切れ金として持たされた玉手箱だけが残りました。
「こんなもの貰っても…意味ないじゃん」
急に色々な物が頭の中に浮かんできて、それがない現実を感じ玉手箱を地面に強く叩きつけました。
すると玉手箱が割れ、中から白い煙が出てきて辺りを包み始めました。
「これは…。あぁ、もういい全て消えてしまえばいい。でも…もしあの頃に戻れたら…今度は…」
未来救世主はゆっくりと目を閉じました。



「…い、おいっ!」
「ん…?銀…朱?」
「は?何言ってるんだお前は。銀朱と言うのは俺の…」
聞きなれた声に起こされて未来救世主は目を覚ましました。
そこにはよく見知った幼なじみの顔がありました。
「そっか…帰ってきたんだ…」
「…。夢の中でどこかに旅にでも行ってきたのか?」
「そんなものさ」
「それより…白梟様が呼んでいたぞ」
「あぁ、今行くよ」
未来救世主はにこりと笑って立ち上がりました。
「なぁ、お前は惚れた奴と世界の平和、一つしか選べないならどっちを選ぶ?」
「そんなの決まってる」
「だよな」
そして二人は肩を並べて歩いていきました。



これは夢だったのか、あったかもしれないもう一つの話かは誰も知らない。




K家妹
妄想日時:’08.2.23
妄想場所:車内

竜宮城(?)での出来事を具体的に書くと裏ページ行きになってしまうので
「24時間経過」と表現してみました(笑)何があったかはご想像にお任せします(笑)