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花帰葬 玄冬×未来救世主 |
| 08.12.13 |
| 恋色スパーク |
何でこんな事になったのか…。 自分に向けられる静かな視線に、どう対応したらいいのか判らず、彼はただ硬直していた。 事の始まりは他愛も無い会話。 「ほんっっと素直じゃないね、お前は」 兄貴面して肩を組んでくるのは、いつの間にやら混ざっていた『最初』の救世主。 つーか、ムカつくんだけど。 ニヤニヤしながら人の頬っぺたツンツン指で突ついてくるし。 むっとして睨みつければ、余計に面白がらせる結果になったらしい。 なっと花白のほうを見て同意を求めると、花白もニヤリと笑みを浮かべてまた次の人物に視線を向けた。 「そうそう、おっきいのって言ってる事と思ってる事がぜーーーーんぶ逆なんだよね」 花白から視線のバトンを渡された人物にじっと見つめられて、未来からやってきた救世主は 居心地悪そうに目を逸らす。 つーーーかこっち見んなよな。 嫌悪とは違う、羞恥と戸惑いの入り混じった感情が彼を支配する。 「そうか………」 耳に低く響く気持ちいい声。 はっとしたように救世主は言葉を発した人物を見る。 その人物―――玄冬はじっと自分を見ていた。 「だったら俺は嫌われているわけじゃないんだな」 「違………っっ!!」 「そうだよ、玄冬」 花白が玄冬にニッコリと笑いかける。 くそーーーーーっ!この間からかった逆襲かっ!! 慌てて花白を止めようとしたが時にすでに遅し。 「僕が君に嘘をついたことがある?」 「わりと騙されているような気もするが………」 「花白が言ってる事はホントだよ、二代目」 初代の救世主までここぞとばかりに誠実な笑みなど浮かべて、花白の言う事にダメ押しする。 「違うっっ!!熊サン、そいつらの言う事なんか聞くなよ?!つーか花白、余計な事言うなっ!!」 「それは花白の言う事を聞け…という事か?」 「そう、わかってるじゃない玄冬」 花白は満面の笑みで肯定した。 「だーかーらーっっっ!!!!!人の話を聴けって!!俺は熊サンの事なんか、大っキライなんだからな!!」 「そうか、俺は好かれていたのか」 臆面も無くそう言われて、救世主は頭を掻きむしった。 「………ったく、どうすればいいんだよ。否定すれば肯定にとられるし…」 つーか、俺が熊サンを好きだって?好き?そんなワケ無い。 だけど、先ほど玄冬が透明な蒼い瞳でそういった時、ほんの少しだけ…ほんの少しだけだけど、胸が 一際大きく鼓動を打った…ような気がした。 とゆーか気の所為に決まっている、そうでなければ困る。 だって自分は玄冬の事を厭っているはずなのだから。 ふと、せっかく整えられていた髪をくしゃくしゃに掻き回す手が止まった。 何でこんな事に気付かなかったのかと自分に呆れるほどの名案に、救世主は意気揚々と笑みを浮かべる。 「そーゆー事ならなぁ………」 不敵な笑う救世主に玄冬と花白は不思議そうに互いの顔を見合わせた後、救世主を見た。 初代の救世主だけは、面白くなってきたとばかりに笑みを深くして高みの見物を決め込んでいる。 まるで勝利宣言のように玄冬を指差して、救世主は高らかに宣言した。 「俺は熊サンのことが大好きだーーーーーー!!!!!」 「ちなみにこれはホントの事だからね」 思わず噴き出しそうになるのを必死に堪えて、花白は間髪いれずに玄冬に言った。 その言葉に驚愕の視線を花白に向ける。 ってゆーか、言う前に気付かないか、と初代の救世主が爆笑している。 「こーなんの目に見えるだろ、お前テンパりすぎ」 笑いの渦の中様子を伺ってみると、玄冬だけが思案するように静かに救世主を見つめていた。 救世主は朱に染まった顔で硬直したまま、玄冬の視線を受けている。 マジな目でこっち見んなよ。 しだいに居た堪れなくなって視線を逸らすと、初代の救世主と花白のニヤニヤした笑みが眼に入った。 俺、何でこいつらにいいようにされてるんだよ。 よもや、今となっては玄冬が自分にとって弱みになっている事など気付かず、救世主は怒りの矛先を 二人に向けようとした…そのタイミングで 「そうか」 沈黙していた玄冬がようやく声を発した。 誰も彼もが玄冬に注視する。 注目に動じることなく玄冬が言った。 「お前はそんなに俺のことが好きだったのか」 それはまっすぐに救世主を見て告げた言葉。 最初は笑みを噛み殺していた初代の救世主と花白だったが、すぐに堪えきれずに遠慮なく笑い転げだす。 そして救世主は呆然と呟いた。 「な、なんでそうなんだよ…」 「いや、さっき『花白の言う事を聞け』と言ったから」 「違うだろー、俺の言う事は逆なんじゃねぇのかよ」 「だから………」 堂々巡りの態を見せ始めた会話に、耐え切れなくなった救世主はそもそもの元凶とも言える 初代の救世主と花白を睨みつけた。 「そ…っ、そもそもお前らの所為で………」 「えー何で、俺ら嘘言ってないじゃないか」 「そうそう、手間省けて良かったね、おっきいの」 本気で2人に喰って掛かりだした救世主とからかうように逃れる初代の救世主と花白。 置いてきぼりを喰った玄冬は、呆然と呟いた。 「結局どっちなんだ?」 「俺はアンタの事、好きじゃねぇ!!」 怒鳴る救世主に玄冬は傷ついた表情(かお)をしたが、すぐに小さく溜息を吐いた。 『玄冬』というだけで理由なく嫌われている事には慣れている。 花白がイレギュラーなだけで、『救世主』として正しい反応なのだ、と。 そして、玄冬は気付かなかったが、言った当の救世主もまた、一瞬傷ついた表情をしていた。 ただし、こちらは自分がそんな表情をしたこと自体気付かなかったけど。 「せっかくのチャンス潰すなんて、無自覚は罪だよね」 怒り狂う救世主から逃れながら、花白がイジワルい笑みを浮かべてぼそりと呟いた。 |
K家妹 妄想日時:’08.11.8 妄想場所:私室 玄救の時、花白さんは花銀で出来上がっているので、 どうも親友を放って置けず、まるで見合いババアの如く世話を焼きます。 が、勿論二人の仲を認めるまでには紆余曲折があったハズで… いつかはその辺りも含めて色々書きたいですなぁ。 え?当事者達の結末? それは皆さまの心の中で………(放置宣言かよ?!) これは、車の中でK家妹と何気な〜く話してたネタをSSにしてみた。 かなり編曲してるけど。 |