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花帰葬 未来救世主×銀朱 |
| 08.3.3 |
| 3×3(3月) |
「ターイチョー♪」 昼食後、ソファでくつろぎ、頭休めの軽い本を読んでいた銀朱の膝に、突然何かが降ってきた。 それが見慣れた桜色の頭だと気付くやいなや、反射的にそれを除けようと膝を上げる。 だが、振り落とされないように腰にしがみつかれ、同時に動きも制限される。 問答無用で銀朱に膝枕させた救世主は、腕の隙間から覗くように銀朱を見上げた。 そして、黙って真面目な顔をしていれば思わず銀朱も見惚れるほどの綺麗な顔を緩ませ、救世主は銀朱に笑いかける。 「タ…」 「重い。退け」 救世主が恐らく…いや絶対に碌でも無いことを言い出す前に、銀朱は努めて冷静に言葉を遮った。 一転して、救世主の表情(かお)が不満気に曇る。 そして、銀朱の要求とは逆に、更に強く腰に抱きついた。 「タイチョー、冷てー」 「離せ…そして退け」 「ヤダー」 「やだー…って、お前は子供かっ!!」 極めて大人の対応でお引き取り願おうとしていた銀朱であったが、ついに救世主の言動に声を荒げた。 こめかみには青筋が浮かんでいる。 気の弱い者ならそれだけでそそくさと逃げ去る形相だが、救世主は逆に身を起こして銀朱に顔を近づけた。 「子供でいーよ、タイチョーに甘えられるんなら」 「………お前…」 溜息交じりの呆れ声で銀朱はそれだけ言うと、頭痛を堪えるように頭を押さえる。 その銀朱の目の前に、何かがニョキっと現れた。 寄り目になるのにも構わず、思わずそれを凝視する。 「何だこれは」 「見てわかんない?」 はい、と銀朱の手を取ると、救世主はその手にそれを握らせる。 そして再び銀朱の膝に横たわった。 「…これが何かわからないんじゃない。何故これがここにあり、且つ何故俺に持たせるのかがわからんだけだ」 「やだなぁ、タイチョー」 横向きに寝転がった救世主は、それこそ悪戯を仕掛ける子供のような笑みを浮かべて、銀朱に視線を向けた。 「耳かき棒なんだから、耳かきしてもらうために決まってるじゃん」 そして、早く早くと銀朱を急かす。 桜色の髪がさらりと頬に落ちて、形の良い耳が露わになった。白い首筋と相まって妙に艶かしい。 が、そんな救世主に意識を向けることなく、今度こそ本当に銀朱は脱力した。 支える力を無くした首が、重い頭を下向かせる。 「ふ…」 銀朱の体が小刻みに震えている。 もちろん、 怒りの為に。 「ふざけるなーーーーーーーっっっ!!!!!」 溜めに溜めた怒りのエネルギーを一気に爆発させて、銀朱は勢い良く立ち上がった。 さしもの救世主も床に放り出される。 「っ痛ぇ〜。イキナリ立ち上がるなよ、タイチョー」 「五月蝿いっ!貴様の暇つぶしに付き合う暇などないわっ!!そもそも大の大人が耳掃除くらい自分でやれ!!」 「だから子供でいいって言っただろ〜」 「屁理屈を言うなっ!!」 不服そうに唇を尖らす救世主を、銀朱は怒鳴りつけた。 そして、息が切れたのか、肩で息をする。 そんな銀朱を床であぐらを掻き半眼で見上げていた救世主は、不意にすっくと立ち上がった。 突然至近距離で現れたやたらと造作の整った救世主の顔に、一瞬銀朱は動揺する。 戸惑う銀朱ににっこりと微笑みかけると、隙をついて掬うように銀朱の足を払う。 「なっ………っ!!」 救世主はバランスを失った銀朱の背後に回りこんでその体を抱きとめ、そのまま倒れこむようにソファに体を預けた。 「な………」 銀朱の思考が状況に追いついた時には、既に先ほどと体勢は逆転していた。 どういうわけか、自分が救世主の膝枕に横たわっている………。 「なんだこれはーーーーーっ!!」 「タイチョーが耳かきしてくれないなら、俺がタイチョーにしてあげようと思って。けっこー上手いぜ?俺」 そう言って愉快気に救世主は笑う。 だがそんな救世主が、内心ではすっかり拗ねてしまっている事に銀朱は気付いた…気付きたくは無かったが…。 慌てて身を起こそうとしたが、がっしりと肩を押さえ込まれて、身動きが取れなくなる。 「はっ…離せ!!」 「いーからいーから………大丈夫、身を任せてくれればすぐにタイチョーも俺のテクでメロメロになるから」 「妙な物言いをするなーーーーーっ!!」 せめてもの抵抗に身じろぎをしてみたが、優男に見えてその実この男の力が侮れない事を銀朱は知っていた。 事実、どれほどジタバタした所で、救世主の拘束は一向に揺るぐところがない。 「ほーら、そろそろ入れるから、あんまり動くと怪我するぜ。痛い思いをするのはアンタなんだからさ、大人しくしなよ」 「だから、誤解を招くような言い方をするなーーーーー!!」 そう怒鳴る銀朱の顔が真っ赤になっているのは、怒りのためかはたまた羞恥か。 「あれー?タイチョーどんな想像してんの?俺わっかんなぁい、タイチョーってばやぁらしー」 そう言ってからかう救世主の繊細な指が、少し長めの銀朱の髪を払ってその耳に触れると、 それだけのことで銀朱の抵抗が止んだ。 ビクリと体を震わせて、銀朱は身を竦める。 予想通りの銀朱の反応に、救世主はその顔ににいっと笑みを張り付かせた。 そして救世主は身を屈め銀朱の耳元に唇を寄せると、わざと低い声で囁く。 「そーいやアンタ、耳、弱かったっけ」 「………っ!!」 耳朶に感じる吐息とその言葉に、思わず言葉を失ってしまった銀朱は耳まで朱に染まった。 くくく、と喉を震わせて笑うと、救世主は持参した耳かきを構える。 「だーから黙って俺に耳かきしとけば良かったのに」 しれっと身勝手な事を言ってのける救世主を睨みつけ、銀朱は呻いた。 「き〜さ〜ま〜は〜〜〜っっっ!!」 「ほらほら、動くと危ないって言っただろー、タイチョー♪」 「そもそも俺はちゃんと掃除してる!今さら貴様に耳かきをされる必要は無いっ!!」 「あー確かに、キレーだなぁ………。ちょっとつまんねー」 銀朱の耳孔を覗き込んで、救世主は残念そうに息を吐く。 「わかったら離せ!!馬鹿者っ!!」 「ダーメ」 銀朱の要求を一蹴した救世主の顔に浮かぶのは、まさに悪魔の笑み。 その笑みに言い知れぬ恐怖を感じて、まるで生娘のように銀朱は身を硬くした。 動きを止めた銀朱の無防備な耳にそっと触れて、笑みを浮かべたまま救世主は宣言する。 「悪いね、タイチョー。もう俺じゃなきゃダメだってくらい気持ち良くしてあげるよ」 |
K家姉 妄想日時:’08.2.29 妄想場所:自宅にて 耳かきのことですよ?耳かきしかしてないですよ? 放っておくとどんどんキャラが喋りだすので、手綱を取るのが大変な救銀ネタでした。しかし稚拙な文章だなー。 あえてお雛様などのポピュラーなイベントを外していく我ら(笑)。 そーいや、図らずも3/27は彩紅さん(花白もだけど)のBDだし、3/3は隊長のBDだ。 ちょっとビックリ。 あと、皆さんお察しと思いますが、タイトルは思いつきませんでした(滝汗)。絶賛募集中←ヲイ。 とりあえず、タイトルを見て「サザン?」と読んだ人はお友達です。三只眼が好きーv(昔からツンデレ好き) |