花帰葬
初代救世主×初代玄冬         
08.11.29       
 平和な日々

「なーんか、アンタといると力抜けるんだよね」
特にする事がない平和な午後。
初代救世主は初代玄冬に甘えるようにくつろいでいた。背後から腕を回させ、背中にその体温を感じ、生きている幸せと温もりを確かめていた。
そんな中、不意に出た本音。
「そうか?」
「なんてゆーか…癒し系?」
「俺が…か?」
そんな風に言われたのは初めてだった。
世界を滅ぼす忌み嫌われた存在である自分の存在を「癒やし」だと救世主は嬉しそうに話すのだから驚いた。

「オレって本当運に味方されてたなぁ」
「俺は…運が悪い方かもな。命狙われて放浪して…」
「マジ?…アンタかなり過酷な人生歩んでたんだな…」
「だが…一つだけ生きてきて良かったと思うことがある」
「え…何!?」

意識は当時へと還って行く。
戦乱の時代に生き、家族から妬まれ命を狙われた日々。
自分が「玄冬」であると告げられ、それを受け入れざるを得ない現実。
初めて「救世主」を見た瞬間に感じた気持ち。
自分で選び、行動し、そしてあの瞬間…


俺を殺してくれるお前に出会う事が出来た事
救世主がお前であった事
それが俺にとっての…


「なぁ…」
声を掛けられて現実に引き戻される。
目の前には最期の瞬間まで見ていた瞳。
「それは秘密だ」
答えてしまうのが照れ臭いし、勿体無い気がしたから話すのを止めた。
それ程までに大切な思い出なのだ。
「え〜っ!オレに言えないようなコト?」
「わからないならそのままでいろ」
「どーゆーイミだよ、それは」

子どものように甘える瞳に、あの最期の瞬間の時のような強さや迷いは見えなかったが、それは平和な時代に再び出逢えたから。
偽りのない真実の気持ちで素直に向き合える。
それが2人にとっての幸せ。
それを確かめるように初代玄冬は救世主の頭を撫でる。
救世主もまたそこに安らぎを感じるのであった。

特にする事もない平和な日の話。




K家妹
妄想日時:’08.10.29
妄想場所:K家姉の車(小さな箱庭)の中と外

このSSのお陰でK家の中で初代玄冬は「座椅子」と呼ばれるハメに(笑)
使用例→「アンタはオレの座椅子だ」
ちくしょう!オレだって初代に癒されたい!!
…一応「初代救世主×初代玄冬」だけど逆でも読めるよね???
リバ読み可!!!!!!